根管治療
- Q根管治療が必要なのはどんな時ですか?
- A根管治療は、主に以下のような症状や状況で必要になります。
・むし歯が深く進行し、歯の神経(歯髄)まで感染が及んで炎症を起こしたり、壊死してしまった場合
・過去に根管治療を受けた歯が、再び感染して痛みや腫れが再発した場合(再根管治療)
・歯の根の先に膿が溜まっている、または病巣がある場合(根尖性歯周炎)
・歯に強い衝撃が加わり、歯の神経が損傷してしまった場合。
激しい痛みや、歯茎の腫れ、歯の変色などがサインとなることが多いです。 - Q根管治療はなぜ「難しい」「時間がかかる」と言われるのですか?
- A根管は、歯の内部にある非常に複雑な管であり、個人差や歯の種類によって数や形が大きく異なります。
肉眼では見えないほど細く、湾曲していたり、枝分かれしていたりするため、感染源を完全に除去するには高度な技術と精密な作業が求められます。
また、一度の治療で全てを完了できるとは限らず、根管内の消毒を徹底するために複数回の通院が必要になることもあります。
当院では、マイクロスコープやCTなどの最新機器を使用し、この難易度の高い治療を成功に導きます。 - Qマイクロスコープを使うと、何が違うのですか?
- Aマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用することで、肉眼では見えない歯の根の内部を最大20倍以上に拡大して確認しながら治療できます。これにより、非常に細い根管や枝分かれした根管の発見、感染源の徹底的な除去、根管内の清掃・形成、そして充填の精度が格段に向上します。精密な作業が可能になることで、治療の成功率が高まり、再治療のリスクを低減することができます。
- Qラバーダム防湿は必ず必要ですか?
- A当院では、根管治療の成功率を高めるために、必要に応じてラバーダム防湿を行っています。
ラバーダムは、治療する歯だけをゴムのシートで隔離することで、唾液中の細菌が根管内に入り込むのを防ぎ、無菌的な環境を確保する役割があります。
これにより、再感染のリスクを大幅に低減し、治療の成功に繋がります。
患者さまに多少のご不便をおかけすることもありますが、ご理解とご協力をお願いしております。 - QMTAセメントとは何ですか?保険の材料とどう違いますか?
- AMTAセメント(バイオセラミックセメント)は、根管治療の際に根管内に充填する特殊な材料です。
保険診療で使われる材料に比べて、非常に生体親和性が高く、硬化する際にわずかに膨張して根管内に隙間なく密着するため、細菌の侵入を強力に防ぎます。
また、抗菌作用や歯の組織の再生を促す作用も期待できます。
自費診療の材料ですが、再感染のリスクを減らし、歯を長持ちさせる上で非常に有効な選択肢です。 - Q治療期間はどのくらいかかりますか?
- A根管治療の期間は、歯の状態、根管の複雑さ、感染の程度、再治療かどうかなどによって大きく異なります。
通常、保険治療の場合は数回〜数ヶ月の通院が必要になることが多いです。
感染がひどい場合や、難症例の場合は、さらに期間が延びることもあります。
当院では、精密検査の結果に基づき、患者さま一人ひとりに合わせた具体的な治療期間の目安をお伝えいたします。 - Q根管治療は痛いですか?
- A根管治療は、通常、麻酔をしっかりと行いますので、治療中に強い痛みを感じることはほとんどありません。
麻酔が効いている間は、痛みを感じることなく治療を受けていただけます。
ただし、炎症が強い場合や、膿が溜まっている場合などは、麻酔が効きにくいことがあります。
その際は、痛みを最小限に抑えるよう配慮し、必要に応じて麻酔の追加や薬の処方を行います。
治療後に一時的に痛みや違和感が生じることはありますが、徐々に治まります。 - Q根管治療をしても、最終的に抜歯になることはありますか?
- A根管治療は、歯を残すための最終手段ですが、残念ながら全ての症例で成功するわけではありません。
感染が非常に広範囲に及んでいる場合、歯の根が大きく割れている場合、根管が極端に複雑で治療器具が到達できない場合など、根管治療を行っても抜歯が避けられないケースもあります。
しかし、当院では、難症例に対応できる技術や設備(歯根端切除術、再植法、分割抜歯など)を駆使し、可能な限り歯を残す努力をいたします。 - Q根管治療後の歯は、どのように補強しますか?
- A根管治療後の歯は、神経が失われているため、もろくなっています。
また、むし歯の進行度合いによっては歯の上部が大きく失われていることもあります。
そのため、最終的な被せ物(クラウン)を安定して装着し、歯の寿命を延ばすために、「土台(コア)」を築きます。
当院では、歯への負担が少なく、見た目も自然なファイバーコアを推奨しています。
土台の上に被せ物を装着することで、歯を保護し、噛む機能を回復させます。

「むし歯がひどくて、もう抜くしかないと言われた…」
「歯の根の治療を何度も繰り返しているけれど、なかなか良くならない…」
「神経を抜いたはずなのに、ずっと痛みが続いている…」
「他院で『これは難しい』と診断されたけれど、どうしても歯を残したい…」
もしこのような深刻な歯の痛みや、歯を残すことへの不安を抱えているならぜひ当院の精密根管治療にご相談ください。
根管治療とは、歯の根の中にある神経や血管(歯髄)が細菌感染して炎症を起こしたり、壊死してしまったりした場合に行う、非常に専門性の高い治療です。
歯の神経を失うと、歯はもろくなり、抜歯のリスクが高まります。
しかし、適切な根管治療を行うことで、抜歯を回避し、ご自身の歯を長く使い続けることが可能になります。
山田歯科クリニックでは、「ご自身の歯を1本でも多く残してもらいたい」という強い思いのもと、最新の医療設備と専門技術を駆使した精密な根管治療を提供しています。
マイクロスコープや歯科用CTによる精密診断、そして難症例にも対応できる専門的な知識と技術で、他院で「抜歯しかない」と言われた歯も、諦めずに治療に挑みます。
根管治療とは?

歯の内部には、歯髄(しずい)と呼ばれる、神経や血管が通っている組織があります。
この歯髄は、歯に栄養を供給し、外部からの刺激を感知する役割を担っています。
しかし、むし歯が深くまで進行したり、歯に強い衝撃が加わったりすると、この歯髄が細菌に感染し、炎症を起こしたり、壊死してしまったりします。
これが歯髄炎(しずいえん)です。
歯髄炎が進行すると、激しい痛みや腫れを引き起こし、そのまま放置すると、感染が歯の根の先に広がり、周囲の骨を溶かす根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)へと発展します。
ここまで悪化すると、抜歯の可能性が高まってしまいます。
根管治療は、このような状態になった歯を救うための最終手段ともいえる治療です。
なぜ「精密さ」が求められるのか?

歯の根の内部は、非常に複雑な構造をしています。
肉眼では確認できないほど細く枝分かれしていたり、湾曲していたり、未処置のまま残っていたりする「見えない根管」が存在することも少なくありません。
もし、この複雑な根管内に細菌が残ってしまえば、どんなに丁寧に治療を行っても、再感染を起こし、痛みや腫れが再発してしまいます。
これが「根管治療を繰り返しているのに治らない」という状況に陥る原因です。
だからこそ、根管治療には「精密さ」が何よりも重要なのです。
当院では、この精密さを追求するために、最新の設備と専門技術を導入しています。
「見える化」された治療:マイクロスコープ・歯科用CTによる精密診断と治療
根管治療の成功は、「見えない部分」をいかに正確に把握し、治療できるかにかかっています。
当院では、最新の診断機器と治療機器を導入し、肉眼では不可能な「精密な治療」を可能にしています。
具体的には、下記の機器を併用することで、経験豊富な歯科医師の「勘」や「経験」だけでなく、「科学的な根拠」に基づいた、精密で確実な根管治療を提供しています。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)

最大20倍以上の高倍率視野
肉眼では見えない、髪の毛のように細い根管や、隠れた側枝(横に枝分かれした根管)を鮮明に拡大して見ることができます。
これにより、感染源の見落としを防ぎ、徹底的な清掃・消毒を可能にします。
精密な感染除去
むし歯や感染した歯質を、健康な歯を必要最小限しか削らずに正確に除去できます。
根管の探し出しと形成
複雑な形状の根管の入り口を見つけ出し、根管の壁を傷つけずに安全に清掃・形成するのに役立ちます。
薬剤充填の精度向上
最終的な根管充填材を根管の隅々まで隙間なく充填できているかを、高倍率で確認できます。
歯科用CT(コーンビームCT)

三次元的な根管の把握
レントゲン写真では判別できない、根管の数、形、湾曲の方向、枝分かれ、そして根尖病変(根の先の病巣)の広がりなどを、立体的に正確に把握できます。
診断の精度向上
過去の治療痕や、破折した器具の有無、新たな感染源の特定など、詳細な情報を得ることで、より正確な診断と治療計画の立案が可能になります。
難症例への対応
複雑な根管形態や、難治性の根尖病変、再治療が必要な症例など、難易度の高いケースでも、CTによる詳細な情報が治療の成功率を高めます。
感染対策の徹底:ラバーダム防湿

根管治療において最も重要なことの一つが、「無菌的な環境」を確保することです。
唾液の中には、非常に多くの細菌が含まれており、これが根管内に入り込むと、治療の成功率が著しく低下してしまいます。
当院では、治療が必要な歯だけを隔離する「ラバーダム防湿」を、必要に応じて行っています。
ラバーダム防湿は、根管治療の成功率を高めるために、欧米では標準的に行われている処置です。
患者さまに少しご不便をおかけすることもありますが、何よりも治療の成功を最優先するために、ご理解とご協力をお願いしております。
細菌感染の防止
唾液中の細菌が根管内に入り込むのを防ぎ、無菌的な環境下で治療を進めることで、再感染のリスクを大幅に低減します。
安全性の向上
治療中に使用する消毒液や細かい器具が、患者さまの口の中や喉に触れるのを防ぎます。
効率的な治療
唾液で治療部位が汚染されないため、歯科医師が集中して治療を進めることができ、治療時間の短縮にも繋がります。
革新的な治療材料:MTAセメント(自費治療)

根管治療の最終段階で、根管内に隙間なく充填する材料にもこだわっています。
当院では、自費治療の選択肢として、「MTAセメント(バイオセラミックセメント)」を推奨しています。
MTAセメントは、生体親和性が非常に高く、優れた封鎖性を持つ画期的な材料です。
通常の根管充填だけでなく、根管の穿孔(穴が開いてしまった部分)の封鎖、歯の根の形成不全の治療、抜髄後の保護など、難症例にも幅広く適用できます。
MTAセメントは、保険診療では使用できない高価な材料ですが、その高い治療効果と、歯を長期間残す可能性を考えると、非常に価値のある選択肢です。
高い生体親和性
生体組織になじみやすく、体に優しい特性を持つため、アレルギー反応のリスクが極めて低いです。
優れた封鎖性
硬化する際にわずかに膨張する性質があるため、根管の内部に隙間なく密着し、細菌の侵入を強力に防ぎます。
抗菌作用
高いアルカリ性を持つため、根管内の細菌の増殖を抑制する効果が期待できます。
組織誘導作用
歯の根や骨の再生を促す作用があるとされており、根尖病変の治癒を促進する効果も期待できます。
効率的かつ安全な根管形成:ニッケルチタンファイル

根管内の汚染物質を除去し、根管を拡大・形成する際には、特殊な器具を使用します。
当院では、通常保険診療で使用される「ステンレスファイル」に加え、「ニッケルチタンファイル」も併用しています。
ニッケルチタンファイルは、柔軟性に富んだ特殊な金属でできており、従来のステンレス製ファイルに比べて多くのメリットがあります。
高い柔軟性
根管の複雑な湾曲に沿ってしなやかに追従するため、根管を不必要に削りすぎたり、形を壊したりするリスクを低減します。
破折のリスク低減
柔軟性があるため、従来のファイルに比べて根管内で破折するリスクが低く、安全な治療が可能です。
効率的な清掃
根管壁を均一に削り、効率的に感染物質を除去できます。
徹底的な殺菌・消毒:超音波洗浄
根管内の細菌を徹底的に除去するために、器具による物理的な清掃だけでなく、化学的な洗浄・消毒も重要です。
当院では、根管形成後に「超音波洗浄」を併用しています。
超音波洗浄は、見えない根管内部の清潔度を格段に向上させ、治療後の再感染リスクを低減する上で非常に有効な手段です。
微細な汚れの除去
超音波の微細な振動を利用することで、ファイルだけでは届きにくい根管の側枝や複雑な形態の内部にまで消毒液を行き渡らせ、細菌や汚染物質をより効果的に除去します。
殺菌効果の向上
消毒液の殺菌効果をさらに高めることができ、根管内の無菌化を促進します。
歯の寿命を延ばす土台:ファイバーコア

根管治療を終えた歯は、神経が失われているため、歯質がもろくなっています。
また、むし歯の進行度合いによっては、歯の上部が大きく失われていることもあります。
最終的な被せ物(クラウン)を安定して装着し、歯の寿命を延ばすためには、丈夫な「土台(コア)」を築くことが非常に重要です。
当院では、従来の金属の土台に代わり、「ファイバーコア」を推奨しています。
天然歯に近いしなやかさ
ファイバーコアは、グラスファイバーという樹脂でできた土台で、天然歯に近いしなやかさを持っています。
これにより、歯に加わる力を均等に分散させ、歯根破折(歯の根が割れること)のリスクを低減します。
金属の土台は硬すぎるため、歯に亀裂が入りやすいというデメリットがありました。
優れた審美性
白い素材のため、最終的な被せ物(特にオールセラミックなどの白い被せ物)を装着した際に、金属色が透けて見える心配がなく、より自然で美しい仕上がりになります。
金属アレルギーの心配がない
金属を一切使用しないため、金属アレルギーの方も安心して使用できます。
除去のしやすさ
万が一、再治療が必要になった場合でも、ファイバーコアは比較的除去しやすいため、歯への負担を最小限に抑えられます。
「抜歯しかない」と諦めないで!難症例への対応
「他院で『もう抜歯するしかない』と言われたけれど、どうしても自分の歯を残したい…」
このような重度な症状や、複雑な根管形態を持つ「難症例」こそ、当院の精密根管治療が真価を発揮する領域です。
私たちは、最後の砦として、患者さまの歯を残すために全力を尽くします。
歯根端切除術(外科的根管治療)

通常の根管治療では治癒が難しい、根の先の大きな病巣や、根管内に除去できない異物がある場合に適用される外科的治療です。
歯の根の先端部分(病巣を含む)を外科的に切除し、同時に根管の先端を封鎖する処置を行います。
大臼歯など、根管が複雑で再治療が困難なケースでも、CTやマイクロスコープで病巣の位置を正確に特定し、精密に切除することが可能です。
根管治療を繰り返しても治らない根尖病変、根管内に除去できない異物(破折ファイルなど)、根管の穿孔などに適応されます。
口腔外接着再植法(意図的再植法)
一度抜歯した歯を、根管治療後に元の場所に戻す(再植する)特殊な治療法です。
治療が非常に難しい根管形態や、根の先に外科的処置ができない位置にある病巣など、通常の根管治療や歯根端切除術では対応が困難な場合に選択肢となります。
一度歯を抜歯し、口腔外で感染部分の除去と根管充填を確実に行い、その後、抜いた歯を元のソケットに戻して固定します。
通常の根管治療や歯根端切除術では治療が困難な根尖病変、重度の根管破折などが適応となります
ヘミセクション/トライセクション(分割抜歯)
複数の根を持つ歯(主に奥歯の大臼歯)において、根の一部だけが感染している場合に、健康な部分を残して感染している根だけを分割抜歯する治療法です。
歯を根の数に合わせて分割し、感染している根やその周囲の歯冠部分だけを抜歯します。残った健康な根と歯冠は、適切な処置(根管治療、被せ物など)を行うことで機能させることができます。
大臼歯の根の一部にのみ重度のむし歯や歯周病、根管治療では治癒が見込めない根尖病変がある場合などが適応となります

精密根管治療に関するよくある質問